シミの診断・治療

シミは皮膚の色むらのことです。医学用語ではありません。
医学的に老人性色素斑、脂漏性角化症、雀卵斑、後天性真皮メラノサイトーシス、肝斑、炎症後色素沈着、扁平母斑らを含みます。
最初にシミの診断を行い、治療を提案します。

レーザー

レーザーはシミの原因である角層、表皮、真皮のメラニンを壊し、シミを薄くします。しっかりとした効果がみられます。

ピーリング

ピーリングは主に角質内にたまったメラニンを排除し、くすみ、肌の滑らかさを改善します。

トレチノイン

トレチノイン外用は表皮のターンオーバーを促進させ、メラニンを追い出します。

ハイドロキノン

ハイドロキノン外用は表皮のメラノサイトに働きかけ、メラニンを作らせないようにします。

ビタミンC内服

ビタミンC内服は抗酸化力により日焼け後シミが残るのを防ぎます。抗老化作用があります。

老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)

老人性色素斑の症例写真

20代後半からうっすら現れます。年齢による肌の代謝の低下と過去に浴びてきた紫外線の影響によります。境目がはっきりした丸い形状の褐色斑です。一部いぼ状に盛り上がることもあり、これは脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)という加齢性のイボです。

治療はQスイッチレーザーで行います。黒いかさぶたができ、1週間くらいではがれてその後ピンク色の肌になります。しかし取れた後に日本人の40%程度が炎症後の色素沈着が一過性に半年程度出現します。これを早く鎮めるためにLEDヒーライトを同時に照射して頂くと肌細胞を活性化し皮膚の回復を促進します。場合によってはルートロトーニングの併用も可能です。

複数箇所みられることが多いので、まずは全顔のシミ、くすみをレーザーで取っていき最後に残ったシミをポイントで治療することをお勧めします。

肝斑(かんぱん)

肝斑(かんぱん)の症例写真

年齢としては30歳から40歳が多く、女性ホルモンが関与すると考えられています。頬骨からこめかみのあたりに境界がはっきりしない、刷毛で刷いたような褐色斑が出ます。男性には滅多に生じません。炎症を起こさせないことが肝心で、肌をこすらない、泡洗顔をすること、UVケアの徹底などが大切です。

肝斑にはトランサミンの内服が有効ですが、中には思うような結果が得られなかったり時間がかかったりといったケースもみられますので、当院では、QスイッチLaser「スペクトラ」によるルートロトーニングという施術でメラニンを作り出しているメラノサイトを刺激せず肝斑のメラニンだけを効率よく破壊し、徐々(回数を重ねるほど)に肝斑を薄くしていく治療も行っています。同時にお肌のくすみも改善しハリも出ていきます。

肝斑はとてもデリケートなので、1回で強い治療は基本的に行うことはありません。
ルートロトーニングによる肝斑治療は2週間おきに10回を1クールとしております。

後天性真皮メラノサイトーシス

後天性真皮メラノサイトーシスの症例写真

頬骨の外側に灰褐色の円形の色素斑が複数集まります。
発症年齢が20歳からと若年であることが特徴です。
治療はQスイッチレーザーを用います。炎症後の色素沈着が強くでるケースが多いので治療は老人性色素斑より難しい印象です。

雀卵斑(じゃくらんぱん)、そばかす

雀卵斑(じゃくらんぱん)、そばかすの症例写真

両頬骨に鼻をまたいで、比較的色調の明るい色素斑が多数集まっています。
遺伝的な体質がかかわり、色白で乾燥肌のひとに多い傾向のようです。
小学生のころからみられます。紫外線により再発しやすいという性質がありますのでUVケアが重要です。メラニンを少しずつ砕いていくことによって少しずつ色調を改善していくルートロピールを6回程度(3~4週おき)が治療の目安です。カサブタを創らず人知れずに美白肌を構築したい方や、毎日人と会うお仕事の方や学生さんにも人気の施術です。施術後メイクも可能です。

炎症後色素沈着(えんしょうごしきそちんちゃく)

炎症後色素沈着(えんしょうごしきそちんちゃく)の症例写真

虫刺されのあとや、やけどのあとが一時的に黒くなったことはありますか?
皮膚はダメージを受けるとメラノサイトが活性化し一時的に黒くなる性質があります。これが炎症後色素沈着です。
遮光と保湿、ビタミンC内服を摂取しながら半年から一年待つと通常消退します。
さらに当院ではメラニンを効率よく砕くことで色調を改善するルートロピールを用いて、この期間をより短縮していきます。